Feb 6, 2016

ツマビク

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親友でもあり、高校の同級生でもあり、会社の同僚でもあるKYOKOさんが、「DocomoのCMから流れるアコースティックギターの音色が気になってしょうがない」とつぶやいた。わたしも同様にその曲が気になっていたため、さっそくGoogleにお願いしたところ、Andy MckeeのArt of Motionというアルバムにはいっている”Rylynn”という曲だと判明。You tubeでみるAndyは大柄なおじさんでクマのような大きなまるっこい手をしていた。その手からつま弾かれる旋律の美しさはその風貌とは一線を画していた。ちょっとさみしげで心にあかりが灯るような、そんな音たちが私の心を魅了する。

私が幼き頃、フォークソングの全盛期で、兄の部屋からたくさんの歌謡曲が流れていた。幼なかったので歌詞の理解もおぼろげであったが、さだまさしさんの「精霊流し」の歌詞の中の「ツマビク」という言葉が耳に残っていた。繊細な美しいその響きから大人のさみしい世界観を少し垣間見たようだった。

大人になってからあらためてアコースティックの音色の美しさに心ひかれるようになる。ギターリストの人たちがつま弾くその音楽の世界観が私の世界を広げてくれる。そして音楽はまた、私たちの部屋を彩ってくれる。部屋によってここはクラシックが似合うね、ここはJAZZ、ここはHAWAIIANかしら、と形ではない「音」という存在が空間を造り上げるから面白い。私の暮らすCLUB66はアコースティックギターがよく似合う。シンプルでかつ暖かい音色が心を落ち着かせてくれる。木や鉄、コンクリートといった自然の素材と呼応して、ギターの弦が響き合う。いつか私もギターを弾けるようになれたらと、壁にかけられているこのギターを眺めては思うのであった。

CLUB66的リノベーション事例
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