Mar 3, 2016

季節を祝う

おひなまつり 

幼いころ、一年の行事の中で一番好きだったのがひなまつり。祖母と一緒に住んでいたためお正月は人がたくさん新年のあいさつにくるため、年末年始はずっと台所でお手伝い。バタバタしてゆっくり楽しむことができずにいた。節分の豆まき、5月5日の節句、そのほかはクリスマスぐらいでそんなにたくさんの行事がなかった気がする。女の子だけの行事「ひなまつり」の3月3日は、私の中で特別楽しみでわくわくしていたのを思い出す。

ひなまつりは3月3日だけではなく2、3週間まえからずっと飾ってあって、それを毎日眺めるのが楽しみだった。私のひな人形は小さな人形が90cmぐらいのケースの中にたくさんはいっており、お内裏様、おひなさま、三人官女、5人囃子、右大臣左大臣などなどその人形をひとつづつ飾っていくのがまた嬉しかった。

先週、実家にかえったときそのおひなさまが飾ってあった。わたしが家をでてからもずっと母が大事にその人形をだしてくれていた。小さなパーツひとつかけることなく、何十年とその美しさを保っていた。大切に保存され、毎年皆の目を楽しませてくれたその人形たちを見るたびに、祖母の、母の愛情の深さが心に沁みる。

毎日に生活に追われ、季節の流れも行事もおろそかにしていた私。これからは、いろいろなもの、小さなことにもきちんと向き合って、丁寧に生きていきたいと切に思う。明治の、そして昭和の母たちの生き方に想いを馳せながら・・・・。

CLUB66的リノベーション事例
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